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にしみやうしろ

Author:にしみやうしろ
小田急沿線で生まれ、金沢で北陸鉄道にはまり、愛知では名鉄に臨海鉄道さらに森林鉄道、今ではすっかり私鉄・貨物ファンに・・・。
鉄道に由来していろんなものに興味を持つようになってしまいました。

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兼山水力専用鉄道(名鉄八百津線兼山駅)~その1~
兼山ダム、兼山発電所は木曽川本流に戦時中建設されたダム発電所です。
竣工は1943(昭和18)年と戦局が悪化し資材も手に入れ難く工事が難航しましたが何とか完成に漕ぎ着けました。
このダム発電所は大同電力が建設を計画し、1938(昭和13)年に名鉄八百津線の前身東美鉄道の兼山駅から分岐する専用鉄道の敷設認可を申請、1939(昭和14)年2月26日に専用鉄道敷設が認可されています。
その直後戦時統制により電力事業は国家管理下に置かれ1939(昭和14)年4月に国策会社日本発送電が発足。
兼山ダム建設事業も日本発送電に移管されました。

DSC_0229_20170318221438b08.jpg
専用鉄道末端と思われる付近から見た兼山ダム。

ルートは判明していますが現地に痕跡は殆ど残っていません。
大体以下のようなルートだったようです。
黒線が八百津線、水色線が専用鉄道です。


<兼山水力専用鉄道>
延長:555m
軌間:1067mm
動力:ガソリン及び木炭ガス
工事費:142,450円(社債による)
なお免許状は日本発送電名古屋支店で保管していたところ空襲で焼失したとのこと。

以下2点は国立公文書館所蔵の日本発送電の専用鉄道許認可書類から。
IMG_20161119_113414.jpg
兼山停車場平面図。左が伏見口(現在の明智)、右が八百津方面です。
八百津方で分岐する専用鉄道と日本発送電の上屋付き貨物ホーム(第一停車場?)があります。

IMG_20161119_113214.jpg
貨物ホームの先で線路が3本に分かれてヤードになっていたようです。(第二停車場?)

●停車場一覧
第一停車場:50m
第二停車場:245m
第三停車場:385m20
第四停車場:482m50
短距離の割に停車場が第一~第四停車場と4つも置かれてますがこれは荷卸し場所と言う程度で駅と言うほどの意味はないようです。

●ガソリン機関車
1940(昭和15)年5月4日に加藤製作所製のガソリン機関車1台が設計認可されています。
鋳物台枠チェーン駆動の加藤くんだったようで、1938(昭和13)年まで大同電力が寝覚水力発電所建設のため中央本線上松駅大同電力西側線(王滝・小川森林鉄道の上松西貯木場があった場所?)で使っていたものでした。
自重6.4t
全長:3,912mm(車台部分のみで自動連結器の長さは含んでない)
全幅:1,780mm
全高:2,200mm
軸距:1,200mm
エンジン:コンチネンタルE-603水冷式ガソリンエンジン
出力:61馬力

この機関車は戦後1950(昭和25)年に八百津の丸山発電所建設のため敷設工事中の丸山水力専用鉄道へ転用するつもりだったのが兼山水力専用鉄道がまだ業務が忙しく廃止できないため転用できないため代わりにバッテリー機関車を導入したい旨を名古屋陸運局に届けていることから戦後もしばらくは専用鉄道が残っていたことが伺えます。
実際には丸山水力発電所にバッテリー機関車が入ったことはないようで加藤製作所製のディーゼル機関車が入るまでガソリン機関車が使われていました。恐らく都合をつけて兼山水力の機関車を転用したものと思われます。
加藤製作所製6.5t機というとこんなイメージですが見た目は大井川鉄道DB1~7のディーゼル化改造前GS1~7の姿に似たキャブの低い機関車でした。
連結器は元はピンリンク連結器で自動連結器を後付けしたようです。

●専用鉄道の廃止 2017(平成29)年6月3日追記
兼山水力専用鉄道廃止届は1955(昭和30)年6月25日に出されており、ダム完成後関西電力に移管されてからも暫くは使われていました。

参考文献:
鉄道省文書・日本発送電・昭和十五年~昭和二十四年(日本発送電、鉄道省)
可茂地域にある木曽川水力の歴史(和田 義昭/編 八百津町教育委員会発電所資料収集展示研究会)

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テーマ:鉄道 - ジャンル:趣味・実用

専用線跡 | 00:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)